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1991/8/16 天池

 

 

 今日はホテルで知り合った日本人学生らと一緒に天池(てんち)に行く。8:30ホテル前出発の予定だったが、当然のように出発は遅れて9:00過ぎだった。わりと新型のバスで、快適だった。

 ウルムチ市街を東方向に抜け、禿山、何もない荒野を走り、一時間半ほどして阜康という町でバスが停まった。どうやら検問らしい。ところが、いくら待ってもバスが発車しない。何かトラブルがあったようだ。

 ホテルで知り合い、このツアーに一緒に来ていたマレーシア人のチュウ君が解説してくれた。チュウ君は一橋大に留学していて、中国語、広東語、日本語、マレー語の4か国語を自由に操る、実に頼りになる人で、実際大変お世話になった。

 解説によると、現在、ウルムチ市内の公安(警察)と市外の公安がケンカしていて、昨日市外から来た車をウルムチの公安がなかなか入れようとしなかったため、今日は仕返しをしているのだという。とんだ迷惑だ。しかも、悪いことに我々のバスの「泉谷しげる」に似た運転手のおっさんが免許を持っていなかったもんだから余計に話がややこしくなっているらしい。

 結局、ここで別のジープに乗り換え、45分ほどタイムロスして阜康を出発した。10分ほど走ったあたりから砂利道になり、ものすごい揺れとなった。

 
 左は天池近くの景色。ガタゴト揺られること1時間半、やっと天池の駐車場に到着。

 ここから歩いて10分ほどで天池に行けるのだが、「馬に乗れ、馬に乗れ」と子供たちがまとわりついてくる。

 子供たちを振り切り、ついに天池に到着。中国に来て初めて見る山と湖の景色だ。

 

 遠くに標高5000mを超えるボゴタ峰を望むことができ、天池の青い水と合わせて見るとまるでスイスの景色のようだ。湖畔には羊が放牧されている。

 しかし、残念だったのはあまりにも観光地化されすぎていて、いまいち「秘境」的な感動がないのである。

 そこで、湖畔を辿って人気の少ない奥のほうへと行ってみることにした。

 

 

 一緒に行ったメンバー5人でてくてく歩くこと40分、そろそろ人もいなくなってきた。それにボゴダ峰も近づいてきて一層美しさを増してきた。

 

 

 

 湖畔に「パオ」と呼ばれる遊牧民の住むテントがあって、その人たちが「来い来い」というので、中に入れてもらい、「チャイ」という塩の入ったミルクティー(ティーといっても紅茶ではなく中国の茶)をもらった。

 

 

 パンももらったのだが、これがなかなかうまかった。この人たちはカザフ族という民族だという。カザフ族は遊牧民なので、彼らのパオが湖畔に数多くあった。

 さて、そろそろ行くかということになり、茶代がいくらか訊いてみると、自分の好きなだけでいいという。チュウ君の話によると、遊牧民は、お金は客の意に任せるものなのだそうだ。

 そういうわけで、皆1元(約26円)ずつ払った。

 

 

 帰りに、駐車場の前にシシカバブー(羊肉の串焼き)屋があったので食べてみたら、これが実にうまくて6本も食べてしまった。1本3角(約8円)。

 天池を後に阜康まで戻ってきたら、また公安とひと悶着あって1時間半ほど待たされ、結局ホテルに帰ってきたのは9時過ぎ。ちなみに今日のツアー代金は30元(約780円)でした。

 そうそう、帰りに阜康で待たせれているときに、ウイグル人の乞食がバスに乗ってきて、「アラーがなんとか」とか言っている。要するに、人間は平等だとアラーの神はおっしゃっているのだからカネをくれと言っているらしい。面白かった。

 

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