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二 子 山
(埼玉県小鹿野町ほか)
(注意!) 初心者の方には難しいところがたくさんある、危険な山です!

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当日のコース
駐車場→(70分)→股峠→(35分)→東岳→(30分)→股峠→(40分)→西岳→(120分)→駐車場
休憩を除く当日の歩行時間 約4時間45分

スクロール地図

通ったルート(だいたいです)


トレッキンググローブ


登山用時計


トレッキングストック


スパッツ


ヘッドライト


双眼鏡


ウエストポーチ


登山用ソフト水筒


携帯座布団


バーナー


コッヘル類


コンパス

  

  2011/5/15、埼玉県と群馬県の県境付近にある岩山の、二子山(ふたごやま)に登ってきました。

 今回は急遽ひとりの時間が取れたので単独行となったのですが、それならばいっちょあのエキサイティングな山に行ってみるべということで、二子山をチョイスしました。

 だらだら書いていたらずんぶん長くなってしまいました。よろしければごらん下さい。

 

 予定より早く目が覚めてしまい(またですか)、朝の3時過ぎに自宅を車で出発。5時20分に坂本の二子山登山口着。クルマは下の地図の道路に路駐します。道は奥までずっと続いているので、どこかしらに停められると思います。あと、公衆トイレも設置されていました。 

 

 
公衆トイレ

 

 

 駐車スペースはこんな感じ。道はずっと奥まで通じていますので、どこかには停められるはずです。

 

登山口から股峠へ

 5時35分、身支度を整えてしゅっぱ〜つ。


坂本の二子山登山口


入山者カウンターを押してGO!

 

 とりあえず、股峠を目指します。股峠から東岳をピストンして、それから西岳を登ります。2つのピークがあるので、それで二子山。

 

 しばらく進むと、渡渉があったり、谷すじの分かれ道みたいなところで(あれ?これはどっちかな?)と迷うところがありました。

 更に進んでいくと倒木が道をふさいだりして、あれれ;〜?と思いました。でも赤テープや矢印のペイントなどがあったりするので、それらを頼りに歩いていきました。 


この道で合ってるはずだが・・・

 

 

歩いていると、今ではすっかり見かけなくなった、缶ジュースなどに使われていたプルトップが落ちていました。

本日は、これを山のおみやげに。うちの子供たち、これがなんだかわかるかな?

 

 だいぶ登って、ふと気づくとローソク岩の登り口に着いてしまいました。「股峠→」となっています。本来のルートよりだいぶ左に登っちゃったみたい。

 股峠への道で西岳の下を通りました。


西岳基部。


ロッククライマーも多いだけに。

 

股峠、坂本、ローソク岩への道が交差する三叉路に来ました。私はローソク岩のほうから歩いてきたわけです。坂本方面にはちゃんとした登山道がついていましたが、私は下りは西岳を越えて帰るので、この坂本への道は通りませんでした。ここからちょっと登ると股峠です。

 

 

 

 6時45分、股峠に着きました。東岳と西岳の谷間の部分になります。

吹き抜ける風が強かったです。こういう山の鞍部は風の通り道ですからね。

 

 

股峠から東岳往復


 股峠から、まずは東岳をピストンします。

 事前に調べたところによると、どうやら二子山で一番危険と思われるポイントが、東岳への途中にあるようです。昭文社の登山地図でも「危」表示のあるところです。もし本当にダメそうだったら引き返してくるつもりです。
 

それでは行きましょう〜。

 

 東岳を登り始めると風も和らいできましたが、やはり時折風が吹きます。

 

 10分か15分も歩いたでしょうか。くだんの危険ポイントにやってきました。ネットでチェックしていたので間違いありません。

 (どんなビビリポイントなんだろうか・・・)と内心気が気ではなかったのですが、実際に見た印象は、(なんだ、こんなもんか)という感じでした。崖下へは、う〜んどうでしょう、よくわからないのですが5〜10mくらいでしょうか。 

 

 

右側の岩壁に沿ってクサリがついています。まずはこのクサリを両手でしっかり握りましょう。

そしたら、下部の岩に金具が打ち込んであるのでそこに足を乗せて、一気に先へと体を運びましょう。金具に右足を乗せるか左足を乗せるかはお好みで。

厄介なのは、おなかの部分を邪魔する出っぱった岩があること。このため、体を少し「く」の字に曲げる必要があります。

そして、この瞬間、自分の命綱はクサリと足元の金具ということになります。ここが一瞬とはいえ心もとないところではありました。クサリも金具も十分信頼できる強度はありましたが、万一事故が起こっても、それは自己責任です。

しかし、このクサリと金具は実にいいところに配置されています。

 

 

写真で見ると高度感がよくわかりません。実際はもっと高度感があると思って下さい。高さは5〜10mくらいでしょうか。山慣れた登山者ならなんてことはないと思いますが、初心者の場合、足がすくんで通れない人もいると思います。

山に来て、怖いのをムリして進むことはないんですよ。やりたくないことは、日常いろいろやってるじゃないですか。山に来て非日常を楽しんでいるのに、無理してやりたくないことをやることはないんですよ。遊びなんですから。危険なのは確かですし。

 
上部から見たところ。

 

 このクサリ場を無事通過した後も、またすぐに急角度で狭く高度感のある岩場を通過しなければなりません。

 この日はこの後もいろいろスリリングなポイントを通過することになるのですが、このクサリ場周辺は恐怖度3段階のうちの「恐怖度2」とします。後でもっと怖いポイントが出てきます。

 

 徐々に木々の間から西岳の岩峰が垣間見えてきます。

 

 そして、ひとしきり登り切って開けたところに出ると、この景色を見ることができます。

 

 

 これが東岳付近から見た、二子山の西岳。上級コースは正面の岩肌を登るそうですが、ホンマかいな?

 

 ここからもうちょっと岩場歩きとなります。

 ところどころ恐怖度1くらいの高度感の場所があります。

 


右側に雄大な両神山を眺めながら歩きます。



これがアカヤシオという花ですかね。

 

 高度感のある岩場歩きになるのですが、こういうところで「ビュービュー」と風に吹かれるのは、いい気分ではありません(怖)


 7時20分、東岳山頂に到着。


山頂はそれほど広くはありません。

 
二子山東岳1122m。看板は質素なもの。

 

 山頂からは両神山〜西岳の眺望が見事。 

 左手に、屏風のように両神山があります。素晴らしい大展望でした。写真は合成したものです。

 実際は、西岳を正面に見ると、両神山は左側に見えます。

 


山頂に咲いていた花。 



 しばし休んで7時35分山頂発。

 登りと下りの岩場の印象がずいぶん違います。こんなトコ通ったっけ?

 下りは正面に西岳を見ながらの歩き。やっぱりこの岩峰には目を奪われます。

 


今度はこの岩山を登る・・・

 

  クサリと金具の危険箇所を慎重に通り抜け、股峠に戻ってきました。

 

股峠から西岳へ


股峠にある看板。赤が上級コース、青が一般コース。


急告!!」と書いてあるはずなんですが、「急吉!!」に見えます。



 8時5分、今度は股峠から西岳へ。私は当然一般コース。しばらく樹林帯歩きとなります。

 

少し登ると西岳の下部の白い岩が見えてきます。いい雰囲気を作り出しています。

 


  新緑と青空と白い岩がいい感じ。

 

 さて、そしてやってきました、西岳に1ヶ所だけあるプチ難所のクサリ場。

東岳のクサリ場は高さ5〜10m(よくわからないのです)でしたが、西岳のここは2m程度ですかね。

この写真では高さはわからないですし、難しそうには見えませんが、クサリが渡してあるのにはちゃんと訳があります。クサリがないと難しいところです。しっかりとクサリをつかんで、慎重に進みましょう。

 

 上のクサリ場を抜けると、今度は登りのクサリがあります。若干オーバーハング気味になりますが、がんばって登りましょう。

 西岳のこのクサリ場は、東岳のクサリ場に比べれば、高度感もそれほどありません。この西岳のクサリ場は恐怖度1とします。

 


西岳山頂は近い!


 

 樹林帯を抜けて山の上に出たら右へ。

 

 両神山を左に見ながら岩場をたどっていくと、西岳の山頂に着きます。8時45分西岳山頂。

 


山頂の看板と両神山。


狭い西岳の山頂。

 

  西岳山頂からは、スッパリと切れ落ちた足元から眼下に広がる、3Dの大空間を隔てた向こう側の両神山と対峙することができます。西岳山頂でこの大空間を感じるだけでも、十分に非日常的な感覚を味わうことができるでしょう。ただしガスっていなければ、ですが。

  


西岳山頂より両神山全景。東岳より心なしか近く見えた気がしました。2006年の両神山山行記はこちら



 写真で見るのと現地に行ってあの広々とした空間を味わうのとでは、まさに天と地の差があります。登った者にしかわかりませんね。「百ネットは一見にしかず」です。

 

 

西岳から西側岩稜帯を通って下山、登山口へ



 8時55分、ふんどし、じゃなくて靴ヒモを締め直して西岳山頂発。

 

 



ところがです。

 

 

 


 のっけからですね、

 

 

 

「(あ、やっぱヤメとこ)感」抜群の、やう゛ぁい岩稜。ついに出た!恐怖度3

 

 

 東岳のクサリ場より圧倒的な迫力を持って襲いかかる高度感。「メメント・モリ(死を忘れるな)」という言葉が天から降ってきます。

 例によって写真だと全然わからないのですが、角度を変えてみましょう。だって、これですよ。


どーですかお客さん、この大岩壁。

 

 

左写真赤枠部分の拡大図が上の写真。さあ、この人たちは何をしているのでしょうか?二子山部屋の人たちではなさそうですね。とび職の人でもなさそうですが。

山歩きを趣味にしない人にとっては、こういう趣味の世界があるというのは、なかなか想像がつかないかもしれませんね。

かくいう私も、この人たちがなんでこんなことやってるのか、いまひとつ意味がわからないのですが(汗) 

 


左はアウト。

 

 この非常にヤバイところを行かなければならないわけですよ。別に行く義務はないんですが。

 左側に落ちたら完全にアウト。しかし、右側は樹林帯で、こちら側は最悪落ちてもなんとかなりそう。とはいっても、樹林帯までもかなりの距離(5〜10mくらい?)があります。

 この、西岳からの出だしの5〜10m程度が、ワタシ的には最高に緊張しました。ここを、尻をついて岩にはいつくばるようにしてなんとかクリア。あ〜〜怖かった。ここが恐怖度3

 いや、ワタシが高所恐怖症のヘタレなだけで、別に、進む分には難しい地形ではないんですよ。クサリも設置されてないですし。ただ、すぐそこが何百mもの崖になってるのが怖いだけなんです。最初の部分をクリアしたら、あとはなるべく岩稜帯の右側を通るようにすれば、それほど怖くはありません。

 山登りは完全に自己責任の世界ですが、ここはほんとに死と隣り合わせの危険なところです。万が一の場合、地元の方、消防・警察、家族、会社及び各方面に多大な迷惑をかけることになりますのでご注意ください。

 

 あとは空の廊下を歩くような、ものすごい展望の岩場をたどっていきます。ところどころ、恐怖度1程度の高度感を感じるところがあります。

   

 


手袋は必携。

 

 

 

 
○のほうへ進みましょう。

 

 

 

 


岩の間から垣間見る両神山。

 

 
この高度感、伝わりますか。


この岩は
恐怖度1。点をたどりましょう。

 

 

 いや〜、しかしこの程度の標高にしてこの高度感。この両側が切り立ったヤバい感じは、北穂高岳〜奥穂高岳の稜線以来かも。


 このあたりで岩稜帯も終わり。


 左手に下降していきます。

 

 そしてやや行くと現れるのが、5m程度のクサリ場。


 本日通ってきたいろんなクサリ場とはまた違う緊張感があります。写真で見るとたいしたことがないように見えるんですが、実際に下りると案外足がかりが少なくて、ちょっと気を使います。足がかり用の金具がここにも打ってありました。

 山慣れている人にはなんてことない場所だと思いますが、私はちょっと緊張感があったので、ここは恐怖度2とします。

 

 このクサリ場を下りてしまえば、あとは樹林帯歩き。もう怖いところはありません。

 ここでヒザサポーターを装着。
 

山の下りでヒザがガクガクになって、足が「生まれたての子鹿」のようになってしまう人はいませんか?私もかつてはそうでした。

山歩きに慣れるとそういうことは少なくなってくるのですが、久しぶりの山歩きだとそのようになってしまうことはあります。

そんな方にオススメなのがヒザサポーター。これを、山を下る前に巻いておきます。そうするとだいぶ楽に歩けると思います。

ちなみに私が使っているのはザムストのこちらのもの。

 

 ちょっと歩くと樹林帯が開けたところに出て、正面にまた両神山が見え、振り返ると今歩いてきた東岳、西岳の岩山が一望できます。

 

登山口10時58分。

途中で休憩も入れて、車道まで下りてきました。


 

 あとは駐車スペースまで10分ほど車道歩き。登ってきた二子山が正面に見えます。

 

 

11時08分

民宿登人のところまできたらほぼゴ〜ル。お疲れさんでした。

 




 やっぱりあの西岳の出だしのところは怖かったですねぇ。人間の「落ちたらヤバいだろな感覚」というのは、おそらく非常に優れているんだと思うのですよ。


 というのも、私は海釣りが好きで運営サイト、よく海の堤防なんかにも出かけるのですが、少なくとも私がここ30年間見た範囲では、子供ですら海に落ちたというのを見たことがありません。もちろん私が見ていないだけでそういうことはたまにはあるのでしょうし、波にさらわれて海に落ちるというような事故もありますが、それは不可抗力というものであったはずです。人間、そう簡単に落ちるもんじゃありません。

 しかし、西岳の出だしのところは、その「落ちたらヤバいだろな感覚」のレーダーが、もうメーター振り切れるくらい

ビンビンに反応するのですね(大汗;)


 私の1mとなりに死の世界がある。「メメント・モリ(死を忘れるな)」という言葉をいやがおうにも想起させられました。

 



 初心者及び極度の高所恐怖症の方は、西岳の山頂まででやめておきましょう。東岳と、西岳山頂の先は危険です。

 二子山のクサリや金具は、無駄なところにはついていません。実に絶妙のところに必要かつ十分に配置されていて、これらをきちんと使いこなせば問題なく通過できます。あと、東岳、及び西岳から先へ行くなら、手袋はあったほうがいいでしょう。


 冷や冷やするところも多々あったんだけど、快晴と新緑に囲まれた天空回廊の山歩きは、久々に快心の一日でした。たまにこういう日があるから山歩きはやめられませんね。



  しかし、いつも行くような平和な里山からいきなり本気度100%の岩山に行ってしまい、あまりのギャップに刺激が強すぎたのは確かです。いつもの里山とこの二子山の中間くらいの刺激の山があれば、ちょうどいい気がします。

 もう、しばらくはあの緊張感は味わわなくていいです(疲)

 

     まとめの一句。
 

五月晴れ メメント・モリの 二子山



                                             おまけの一句 : 二子山 あってよかった クサリと金具

 

  

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