・聖ヶ鼻(ひじりがはな)は柏崎市の米山海岸の北側に位置する岬。米山海水浴場手前に広い駐車スペースがあり、公衆トイレも整備されている。米山海岸の右のはずれから岩場伝いに聖ヶ鼻先端部まで行くことができるが、足場はあまり良くないので注意のこと。また、先端部には比較的広く平らなところがあるが、背後には聖ヶ鼻の崖がそびえ立っている。見るからにモロそうな岩壁で、いつ何時落石があってもおかしくはないように見える。そうしたリスキーな場所であることを念頭に自己責任で釣行願いたい。ヘルメットやライフジャケットの携行をオススメする。
・2014年の7月に初めて聖ヶ鼻の先端部で投げ釣りをやってみた(日記はこちら)。地形が地形なのでところどころ岩礁帯で根掛かったりするところがあるものの、思ったよりも広範囲にサビいて釣ることができた。その時は普通サイズのキスが2匹釣れただけだったが、一度「グーーー!」っと竿を引き込むアタリがあった。条件の良いときに訪れたら面白い釣りができるのではと思い起こさせる、エキサイティングな釣り場であった。
・なお、初めての釣り場で投げ釣りをする場合、特にこのような岩場や岩礁帯が広がっていることが想定されるところでは、まずオモリだけを投げてみて海底の様子を確かめてから仕掛けを投入するようにすると、無駄な仕掛けのロスがなくなる。
仕掛けだけ投げてみると、案外スムーズに海底をサビくことができた。 |
・米山、聖ヶ鼻などの名の起こりについて。
「米山」の名の起こりについては「飛鉢伝説」がある。
米山はその昔「五輪山」といったが、奈良時代の和銅年間(708~715)に越前福井の僧、泰澄(たいちょう)が夢のお告げでこの山に登り生き身の薬師如来を拝し、この霊峰に室堂を建て薬師如来の山として開いた。
ある日、出羽の国の船頭、神戸清定(かんべきよさだ)が米を船に積んで五輪山の麓の岬(鉢崎:聖ヶ鼻)の沖を渡ったとき、泰澄の弟子の沙弥(しゃみ)がこの岬から鉢を神通力で飛ばし、供米(くまい)を乞い求めた。
だが、清定が「この米は納める数が決まっているので分けてやれない」と供米を断ったため、沙弥はやむなく五輪山に帰っていった。
ところがそのあと、船に積んであった米俵が、雁が飛んでいくように連なって五輪山目がけて飛んでいった。
このときから五輪山を「米山」というようになり、このあたりの郷を「鉢崎」(はっさき:鉢が飛んだ岬)と呼ぶようになった。
この伝説の狙いは、民衆に薬師如来信仰を広めることにあった。後世、沙弥が鉢を飛ばした岬は「聖ヶ鼻」と呼ばれるよう
になった。
米山海岸に隣接するJR米山駅は、1961年に鉢崎駅から改称したものである。
参考:『歴史紀行』
海の見えるプラットホームから/茜嶺治
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