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夏山登山の注意事項〜山でのトラブルを避けるために

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雷について

・夏山の登山などでは午後になると入道雲がもくもくとわきあがってきて、雷と夕立に見舞われるというパターンはよくあります。統計的にも、午後2時以降に雷が発生する確率が高くなっています。行動計画は余裕を持って立て、山小屋にはできれば2時前には入るようにしたいものです。

・雷鳴が近づいてきた場合には、近くに山小屋があればすぐに逃げ込みましょう。山小屋などがなければ、低い場所に移動するようにします。また、傘やステッキなどを振りかざさないこと。カミナリは金属、非金属の別には関係なく、周囲の地形の中で尖ったところに落ちることが多いようです。木の下に逃げ込むのもいいのですが、付近の木の中でも高い木を避け、木の真下ではなく、少し離れて待機するようにしましょう。



 高山病の予防・対処法について

 夏山となると、標高の高い山になることが多いわけですが、高い山となると、「高山病」になってしまう場合があります。標高でいえば、おおよそ2000m以上になると可能性が高くなるようです。症状としては、頭痛、吐き気、食欲不振、悪寒、むくみなどです。特に、ロープウェーなどで一気に高いところに上がってしまうと、体がついていけずに高山病になってしまう場合も多いようです。高山病は体力、筋力に関係なく、誰でもなってしまう可能性があります。体力に自信があるからといって油断は禁物です。高山病の薬は、基本的にないと思ったほうがいいでしょう。唯一の解決策は、「下山すること」です。そんな辛い高山病になるのを防ぐ方法と、高山病になってしまったときの対処法についてまとめました。

 高山病予防対策

@登山前日は十分な睡眠をとること。また、可能ならば前泊は登山する山のふもとや中腹など、標高の高いところで体を薄い空気に慣らすのがベター。

A頭痛、腹痛、熱があるような場合は登山をとりやめること。体調不良は高山病の元です。

B歩き始めは意識してゆっくり歩き、薄い酸素に体を慣れさせるようにすること。呼吸もゆっくり大きく吸い込むようにし、休憩もこまめにとること。ロープウェイなどで一気に高い標高に上がった場合は、すぐに歩き始めるのではなく、休憩や軽い運動、周辺の散策などをして身体を薄い空気に慣らしてから登り始めるようにするのもよいでしょう。

C水分補給は頻繁かつ多めにすること。水分補給は、1時間あたり「自分の体重×4ml」程度、すなわち体重50kgの人であれば50×4=200ml程度の水を飲むと、高山病予防に有効だそうです。ただ、一度に多く水を飲んでしまうと体がだるくなったりするので、できればこまめに水分を取るのが理想的です。その点ハイドレーションを利用するのは理にかなっています。ただし、冷たすぎる水は下痢に注意。「少し食べて、十分な水分補給をする」ことが高山病や疲労防止のコツ。食べるのはできるだけ高カロリーのものを。

Dビールなどのお酒は控えめに。アルコールは酸素の薄いところでは体の水分の脱水を促したりして身体に負担もかかりますので控えましょう。特にお酒にあまり強くない人は注意。タバコも血管が収縮して酸素の取り込み量が減るため体に負担がかかるので注意しましょう。

E疲れたからといって、小屋に着いてからすぐに寝ない。山小屋に着いたら着替えをし(汗をかいて冷えないように)、すぐに寝たりしないで(酸素が薄いところで呼吸が浅くなると高山病にかかりやすくなる)、付近を歩き回ったり、同行者と話すなどして、薄い空気になるべく体を慣らしてから休むこと。これは私の経験則なのですが、歩行中も休憩中も、人と話をすると酸素の取り込み量が増えるのか気が紛れるからなのか、高山病になりにくくなるような気がします。積極的に会話しましょう。



 高山病になってしまったら

不幸にも頭痛や吐き気などの高山病の症状が出て下山もできない場合の対処法ですが。

・できることは、十分な水分を取る。身体が冷えないように温めて休息する。そして息を大きく吸う、ということくらいです。吐き気がある場合は、吐いてしまった方が楽になります。栄養も摂った方がいいですが、無理して食べるともどしてしまったりするので、何か食べるのであればすぐエネルギーになる炭水化物がベターでしょう。

・メジャーな山では夏場だけ診療所が開設されるところもあります。診療所などが近くにあれば、診てもらいましょう。適切な薬がもらえたり、点滴を受けられたりする場合もあります。高山病が不安なのであれば、そうしたところを目的地に選ぶのもいいでしょう。

・ちなみに、私は2012年7月に北岳に息子と2人で登ろうとしましたが、2人とも高山病にかかり(頭痛と吐き気)、特に息子は頭痛で動けなくなり、北岳の山頂には立てませんでした。そして2人で北岳山荘前の昭和大学の診療所にお世話になりました。海より深く感謝申し上げます。その山行記はこちらです。
原因は寝不足、登るペースをもっとゆっくり(特に標高が高くなってから)にすべきだったこと。私の場合は山荘に着いてビールを飲んですぐに寝てしまったこと、などです(反省)


以上の内容は、昭和大学北岳診療部のサイトも参考にさせていただきました。


  歩き方などについて

・普段歩き慣れていない方への歩き方のコツとしては、急な登り坂では歩幅を短くして、コツコツと一歩一歩を積み重ねるように歩くとよい、ということです。なだらかな登山道と同じペースを守ろうとして、無理して大股でグイグイ進むと無駄にエネルギーを消耗します。また、登山道は、「低いところを選んで歩き、なだらかな登山道では、地面より高さのある石の上に、無理に上がらない」ということです。登山道にある石の上に上がってまた下りるということは、たとえ数センチ〜数十センチとはいえ、無駄に体力を使うことになると思いませんか?まあ気にならない人はいいですが。私はセコイので、なるべく無駄な体力は使いたくありません。

・下り坂では、つま先を下げ気味に足を踏み出すのが、足裏を痛めないコツです。下り坂でかかとから足を踏み出すと、足先を「パタン!」と地面に打ちつけることになります。それを何百回何千回と繰り返すわけですから、足裏へのダメージも大きくなるわけです。また、かかとから踏み出すと、滑って転ぶ原因にもなりやすいです。

・高い山では岩場、クサリやロープの付いたところ、ハシゴの登り下りというようなところなども出てきます。また、崖や高度感のあるところなど、落ちたらタダでは済まないようなところもあります。そういったところはあせらず慎重に行動しましょう。「三点支持」、「三点確保」などといいまして、両手両足のうちの三点を岩場やハシゴなどに付け、離した一点を動かすようにする、という基本動作があります。私は山登りを始めたばかりの頃は、公園のジャングルジムを利用して三点支持の動きの練習をしました。確かに安定感があります。お試しください。



道迷いについて

・道迷いに備え、地図コンパスは必ず持っていくようにしましょう。

・万一道がわからなくなった場合には、「わかるところまで戻る」のが基本です。そして、どうにもならなくなった場合は、「下には下らず、上に登る」のが鉄則であると心得ておきましょう。下るのがいけないとされるのは、一番大きい問題は、沢などを下って行って滝や崖の上部に出てしまい、転落、滑落の危険性があるからです。万一の野宿に備え、エマージェンシーシートなどは必ず携行するようにしましょう。

トレッキングポール、ひざサポーター、
サポートタイツを歩行の補助に

・夏山登山ともなれば、歩く時間も長くなります。そして、体力に自信のない人にオススメしたいのがトレッキングポール(ストック)です。両手に持つ、ダブルストックがいいでしょう。登りではアシストになりますし、下りでもちょっと前方に突くようにすれば、足への負担が軽くなります。私は日帰りの山行でも必ず使います。楽さが断然違います。

・また、山小屋泊まりの山歩きとなると、必然的に長時間の行動となり、下山の途中からはもうヘロヘロで足はガクガクという場合も多くなります。そのため下山時に転倒やケガをすることも多くなります。歩き慣れていないと、山を登るより下る方が足への負担が大きくなるため、登りよりもむしろ下りでゆっくりと休憩を取るのも手です。また、ひざサポーターや、サポートタイツを利用すれば、足への負担を軽減してくれるでしょう。疲れたら無理せず休む。そのためにはやはり余裕を持った行動計画にしたいところです。


ゴミはすべて持ち帰る

・これは夏山に限らずですが、ゴミは必ずすべて持ち帰りましょう。山小屋にゴミ箱があったとしても、自分が出したゴミは自己責任で持ち帰りましょう。山に持っていくもので、余計な包装がついているもの(食料、お菓子類は、まとめてジップロックの袋に入れるなど)は、はずして持っていくのも手です。

トイレについて

最後にトイレについてですが。山小屋などであればトイレはあるわけですが、維持管理には手間、労力、維持費がかかっています。利用できることに感謝して、チップ制のところでは協力するようにしましょう。

・また、人間ですから、トイレのないよころでもよおすことも当然あります。小の場合はまあいいとして、大の場合は、モノは穴を掘って埋めるようにして、紙はビニール袋に入れて持ち帰る。これくらいのマナーは守るようにしたいものです。




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