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登山前夜や、山小屋・車中泊で眠れないとき、眠れなかったときどうするか

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安心しましょう、眠れなくても大丈夫

眠れないときどうするか

山小屋、車中泊などでの安眠グッズ

眠れなかった翌日は

睡眠不足のときは、高山病に注意!
 (高山病の予防法)


よく眠れるための準備

私の「前夜眠れなかった」時の山行記

 




安心しましょう、眠れなくても大丈夫

 

 今、あなたはまさに山行に出かける前日、自宅で、前泊の宿で、夜行バスで、車中泊の車の中で、眠れずに困っているところでしょうか。あるいは山小屋でふとんや寝袋に入ってはみたものの、まったく不慣れな環境で寝ることができず心配されているところでしょうか。それともそういった事態に備えてこのページをご覧になっているところでしょうか。

 

 (明日は山を歩かなければならないのに、眠れないし、大丈夫だろうか・・・)と、不安で気になって眠れずドツボにはまるという経験を私も何度もしていますので、焦る気持ちはとてもよくわかります。あなただけではありません。でも、大丈夫です。

 

 まずお伝えしたいのは、仮にほとんど眠ることができなかったとしても、目を閉じて体を横たえているだけでも体は休まっているので、心配しなくても大丈夫だということです。ですので、焦らず、心配せずにリラックスすることです。体を休めておけば、体は翌日も案外普通に動くので、落ち着きましょう。「眠り」というのは大脳を休ませるためのものであるとも言われていますが、1日くらい眠らなくても脳は動きますので、大丈夫です。

 

 私も、山行前夜にほとんど眠ることができずに山登り、山歩きをしたことが何度もあります(こちら)。ただ、山を歩いているときは、それほど疲労感や眠気といったものは感じませんでした。もちろん、その人その人の体調によっても当然違ってはくるでしょう。しかし、少なくとも 「健康体で、寝る時間が少なかっただけ」 という場合においては、翌日の行動に支障が出るほどの疲労感はもたらさない場合も多い、ということです。

 

 当然ながら、歩いている途中で眠気を感じるようであれば、休憩して少し仮眠を取るのも良いと思います。昼間に少しでも眠ることができれば、頭もスッキリしますしね。

 

 眠れなくても大丈夫。目を閉じて、全身の力を抜いて、リラックスしましょう。



眠れないときどうするか

 私も何度も経験があるのでわかります。翌日に山行を控え、小学生の頃に遠足が楽しみで仕方がなかったときのような高揚感のせいで。あるいは、普段とは違う環境のせいでどうにも寝つけない。日頃感じない神経の高ぶりのために、夜寝つけなくなってしまうことがあります。

あとは寝るだけ、という段階でそのような事態に陥ってしまった場合に試してほしいことを、2つご提案します。ただし、これはあくまで私個人の対処法であり、なんら科学的な根拠があることではありません。

1.体の力を抜いて、リラックスする

(あぁ眠れない・・・ 困った、明日は山歩きなのに、どうしよう・・・)と不安で頭がいっぱいになり、眉間に力が入っていま せんか?

目を閉じ、目の周りの力を意識して抜くと、緊張が解け、気持ちもゆったりとしてくるはずです。

あとは肩の力を抜くなどして、とにかく全身をリラックスさせ、ふとんに体が沈み込むような感覚でゆったりと体を横たえましょう。車中泊などで横になることができない場合でも、たとえ眠ることができなくても、体を休ませることができれば大丈夫だと信じましょう。
 

2.頭に思い浮かぶものは、そのままに任せる

寝る体勢になって目をつぶっても眠れないと、いろいろ考えてしまうかもしれませんが、そうして思い浮かんだものはそのままに、できるだけリラックスできる姿勢になりましょう。ぼんやりと頭に思い浮かぶことを放っておくと、いつの間にか眠っていたということはよくあります。

全身の力を抜いてリラックスして楽な姿勢になり、目を閉じて、頭に浮かぶことはそのままにゆったりと休む。何も特別なことはありませんが、これが私の眠れないときの対処法です。





山小屋、車中泊などでの安眠グッズ

山小屋などでは、必ずと言っていいほどイビキのうるさいおじさんとかがいます。あと、いつもと枕が違う、ふとんが違う、 狭い、暑い、寒い、など、自宅とは環境が異なるせいで目が冴えてしまうこともままありますので、できれば安眠グッズを 持っていくことをオススメします。山小屋での安眠グッズとしては、耳栓アイマスクといった基本アイテムの他、山小屋の布団に入るときに自分専用のトラベルシーツを用いる、自分専用の肌触りのいいタオルなどを持って行って枕の上に置くのもオススメです。夜の道具としてヘッドランプも必需品です。なお、ちなみにイビキというのは「仰向け」になっていると出やすいものです。ですから、周りに迷惑をかけたくなければ、「横向き」で寝るのがマナーにもかなうでしょう。



山のふもとの駐車場でマイカーにて車中泊、あるいは夜行バスで車中泊なんてこともあると思います。マイカーでの車中泊も、後部座席をフルフラットにできるワゴン車などもあれば、そうもいかない車もあるでしょう。マイカーの車中泊で便利なアイテムを挙げるとすれば、耳栓アイマスクふとんマット類毛布ブランケット寝袋まくらカーシェードなどでしょうか。私はマイカーがステップワゴンなので、車中泊の時はふとんを積んで行き、後部座席をフラットにしてふとんを敷いて楽々寝ますzzz。


夜行バスでの車中泊もなかなか寝にくいものがあります。ブランケットなどが備えられている場合もあると思いますが、な い場合に備えてコンパクトに納まるものを持っていくか、フリースダウンジャケットなどを掛け布団代わりにするのもアリ でしょう。夜行バスなどで使えるアイテムとしては、耳栓アイマスク空気まくらブランケットフリースダウンジャケットなどです。






眠れなかった翌日は 

 前夜よく眠れなかったときは、(今日は山歩きだけど、大丈夫かな・・・)と不安な気持ちになるでしょう。

 ただ、熱があるとか、お腹が痛いなど、明らかに体調が悪いのでなければ、それほど心配することはありません。

 たとえ前夜あまり眠れなかったとしても、体は休まっているはずで、翌日の行動に支障が出るほどの疲労感を感じることは少ないと思います。

 そうは言っても、やはり睡眠時間が少なければ疲労度は増すかもしれません。まして山歩きという運動をするわけですから。

 疲れたら迷わず休みましょう。そして、眠気を感じるようなら、休んで少しでも仮眠を取ればいいことです。眠くてふらふらして登山道を踏み外してしまい、谷に落ちたりすると危ないですからね。団体行動だとなかなか自由に休憩を取ることはできないと思いますが、なんとか休憩時までがんばりましょう。

 私自身の経験で言えば、前夜ほとんど眠れずに翌日山歩きをしたことは何度もあるのですが、歩いている途中で眠くなったり、極度に疲労を感じたことはありません。山の中という非日常の世界で、気分が高揚していることもあるのでしょう。まあ、その日の夜は爆睡することになりますが。

 ただし、注意したいのは高山病。標高が2000mを越えるような高い山に登る場合は、また事情が変わってきます。次項に注意点をまとめました。





睡眠不足のときは、高山病に注意! (高山病の予防法)

 前夜睡眠不足だった場合は、体力がいつもより落ちていることは否めません。そうすると、2000mを越えるような高い山を登る場合、高山病にかかってしまう可能性が高まってしまいます。

 高山病の症状としては、頭痛、吐き気、食欲不振、悪寒、むくみなどがあります。特に、ロープウェーなどで一気に高いところに上がってしまうと、体がついていけずに高山病になってしまう場合も多いようです。高山病の薬は、基本的にないと思ったほうがいいでしょう。唯一の解決策は、「下山すること」です。



高山病にかかりにくくするためにできること。


@できる限りゆっくりと登る。体を薄い空気に慣らすためにです。休憩も十分に取りましょう。ロープウェーなどで高いところに上がった場合は、すぐに登り始めないで、しばらくロープウェー終着駅付近を散策したり、休んだりしてから、ゆっくり登り始めましょう。休憩も十分取りましょう。

A水分補給を、できるだけこまめに、かつできるだけ多くする。その方が高山病にかかりにくくなるそうです。ペースの目途としては、1時間あたり「自分の体重×4ml」、すなわち、体重50kgの人であれば50×4=200mlの水を飲むと、高山病に有効だそうです。
その点、ハイドレーションを利用してこまめに水分補給するのは理にかなっています。また、カロリーの高い食べ物の補給もしましょう。

B休憩時にはしゃべり、山頂、山小屋についてからもすぐに休んだりせず、おしゃべりする。話した方が呼吸をより多くすることになるので、空気を多く体に取り込み、かつ薄い空気にも慣れやすいからです。単独行の人も、その辺の人と山の話でもするようにしましょう。

C酒、タバコは飲まない、吸わない。アルコールを摂取すると、体の水分が排出されやすくなります。タバコは血管を縮め、酸素の取り込みを少なくします。ともに高山病にかかりやすくなるリスク要因です。

D山頂付近の山小屋に到着して、疲れたからといってすぐに寝ない。空気が薄くなったところで寝てしまうと、呼吸が浅くなり、体に酸素を取り込む量が減ります→高山病の元です。




 高度が上がるにつれて高山病の症状が現れ、しばらく休んでも症状が改善しないようなら、下山するのが一番の薬です。しかし、山小屋泊まりなどの状況により、すぐには下山できない場合もあるでしょう。

 そのような場合にできることは、十分な水分を取るようにし、身体が冷えないように温めて休息する。そして息を大きく吸う、ということくらいでしょう。無理して食べると、もどしてしまったりしますが、何か食べるのであれば、すぐエネルギーになる炭水化物がベターでしょう。山小屋に泊まっている場合は、小屋の人に一応相談してみましょう。運良く診療所などが近くにあれば、診てもらいましょう。適切な薬がもらえたり、点滴を受けられたりする場合もあります。





よく眠れるための準備

1.眠れなくなることを防ぐために、自宅でできること

・山行の準備は、できるだけ早めにしておくこと。山行前日の寝る直前に(あれもいるしこれもいるし、あとは何がいるんだっけ?)などと考えながらあたふたとしていると、神経が高ぶってなかなか寝つけないことがあります。余裕を持って準備しておきましょう。

 

カフェイン入りの飲み物であるコーヒーや紅茶は、夕方以降は飲むのを避ける。

 

夜はお風呂に入って一度体温を上げましょう。上がった体温が下がるときに眠気は訪れます。ただし、熱すぎるお風呂は逆効果です。シャワーでは、特に後頭部・首筋を温めましょう。

アルコールは眠りを浅くするので、できれば飲酒は避ける。ただし、飲むことが習慣になっている場合は普段通りでもよいかと。


・夜は、部屋の照明をあまり明るくしないようにすること。特に、就寝時間が近くなったら部屋を暗くしましょう。

・寝る直前までインターネットやテレビを見たりしていると光の刺激で脳が休まらず、入眠の妨げとなるので避けたほうがよいでしょう。

 

・冷え性の人は、手足が冷たいと血行が悪くなるため脳も体も温まらず眠りにくくなります。就寝前に手足をお湯で温める、腹巻や手袋、靴下をするなど工夫するとよいでしょう。

・夜、リラックスするために、静かな音楽のCDを鳴らすのもよいでしょう。

・寝る前、温めた牛乳を飲むと効果的だそうです。牛乳には、睡眠を促す作用のあるトリプトファンと神経を鎮める作用のあるカルシウムが豊富に含まれているのだそうです。

・ラベンダーのポプリを枕元に置く。リラックスが眠気を誘います。

 

・布団に入って何時間も眠れない時、一度思い切って布団から出てみるのも手です。気分転換をして、本を読んだり好きなことをして様子を見てからまた布団に入るのもよいかもしれません。

 

 

2.山小屋、車中などで眠れないとき

・先に書いたことの繰り返しになりますが、山小屋や車中泊などで、安眠のためにできることが限られる場合には、1で記述した中で対応できることに加え、安眠グッズを用いるのも効果があります。

  例えば、耳栓、アイマスク、空気枕、山小屋の布団に入るときに自分専用の
トラベルシーツを用いること、などです。

 

・山小屋などでは、必ずと言っていいほどイビキのうるさいおじさん(おばさんの場合も)とかがいます。あと、いつもと枕が違う、ふとんが違う、狭いなど、自宅とは環境が異なるせいで目がさえてしまうこともままありますので、できれば安眠グッズを持っていくことをオススメします。





私の「前夜眠れなかった」ときの山行記
瑞牆山 前夜は自宅で寝たものの2、3時間ほど寝たら目が覚めてしまい、結局そのまま山へ。眠れなかったときのエピソードはこちら。でも、翌日は問題なく歩けた。
両神山 早めに寝たものの、、「ああ、明日は山に行ける 」とソワソワしてしまい、早めに寝たものの2時頃にパチッと目が覚めたらもう眠れなくなってしまいました。でも、翌日は問題なく歩けた。
五竜岳〜鹿島槍ヶ岳 夜行バスで出かけたものの、車中ではほとんど眠れず。五竜山荘ではオヤジのイビキがうるさくて眠れず、冷池山荘では寝る場所が狭くて落ち着かず、なかなか寝ることができませんでした。でも、それぞれ翌日は問題なく歩けた。
北穂高岳〜奥穂高岳 また夜行バスで出かけ、今度は「酒をたらふく飲めばよく眠れるだろう」と思いバスに大量に酒を持ち込み、したたかに酔ったものの、余計目が冴えてまた眠れず、挙句の果てに翌日は二日酔いというダブルパンチ。バカすぎる。でも、翌日は問題なく歩けた。
日光
白根山
無人小屋に泊まったのだが、どうも夕方に飲んだコーヒーが効いたのか、なぜか朝まで完璧に一睡もできなかった。でも、翌日は問題なく歩けた。
川苔山 前夜自宅で寝るも、夜中に2度子供に起こされてろくに眠ることができず、明らかに睡眠不足。でも、翌日は問題なく歩けた。
北岳 中2の息子と2人で山行。前夜北岳のふもとで、マイカーの車中で4時間ほど仮眠を取ったのだがその寝不足もあったせいか、標高が2500mを超えたあたりから息子が頭痛を訴えだす。私も北岳山荘に着いてビールを飲んで昼寝をして目が覚めると頭痛が始まり、結局親子2人で翌日下山して標高が下がるまで頭痛を抱え、北岳山頂にはたどり着けなかった。
水晶岳 水晶小屋という北アルプス最奥部の小さな人気の小屋で、ふとん1枚に2人で一睡もできなかった。でも、翌日は9時間弱の行動時間をなんとかこなせた。
立山 前夜扇沢の登山口で車中泊したものの、セダンで狭くてほとんど眠れず。それでも翌日は何の問題もなく歩けた。





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