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鹿岳から木々岩峠道
(1015m、群馬県南牧村他) ウェザーニュース:下仁田 Yahoo!南牧村の天気 南牧バス 山と高原地図:西上州 よく行く東京の登山用品店 日帰りトレッキングの服装 日帰り登山、ハイキングの持ち物リスト 冬の里山トレッキングの装備と服装
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この鹿岳(かなたけ)は、普通の人にはまったく知られていない山だろう(知る必要もまったくないが・・・)。だが、そのスジ(どのスジ?)の山好きの間では割合有名な岩山で、登山ガイドにもよく紹介されている。今回は以前から気になっていたこの西上州の岩山に親父と2人で行ってまいりました。鹿岳登山のお問い合わせは南牧村役場へどうぞ。
2006年5月27日 こちらが大塩沢の鹿岳駐車場。この敷地内、路肩の空いているところに停めてよいそうです。 今日はあいにくの曇り空。麓からですら鹿岳のカッコイイ岩峰を拝むことはできません。天気予報では昼過ぎから下り坂になる予報。なんとか雨が降らないうちに登ってこれればいいけど・・・ 7:03、駐車場出発。
このコースは、ひたすら杉の樹林帯の急登を歩くことになります。緩むところはほとんどありませんので、ちょくちょく一息入れて歩くのがいいと思います。
いや~;疲れる; ひたすら急登なんだもの。 右写真はナメ沢との出合い。鹿岳へ50分の道標があります。 ここからもず~っと杉林の急登。暑い暑い。バンダナしてても汗がしたたり落ちてくる。2人とも汗と湿度のせいでメガネが曇って困ったこと困ったこと。
杉林を通り抜けると雑木林の急坂に入ります。ようやくツツジが現れて緑も多くなり、初夏の山の雰囲気が感じられるようになりました。雑木林まで来れば鹿岳の鞍部はもうすぐ。このロープを登ったところが鞍部です。
鹿岳鞍部到着。ここで一ノ岳と二ノ岳に分かれます。とりあえず右手の一ノ岳へこのハシゴを登って向かいます。この日はこのあたりはガスっている上に、鞍部は風の通り道になっているようで厳しい状況でした。
この区間は露岩の多い急坂で、滑らないよう注意が必要です。このあたりも赤いツツジが多かったですね。
8:20、ようやく鹿岳の一ノ岳山頂着。結局登山口から頂上まで緩むところはほどんどありませんでした; ガイドによれば「稲含山、西御荷鉾山、四ツ又山、小沢岳、桧沢岳、遠く両神山から奥秩父、御座山、八ヶ岳、そして西にそそり立つ二ノ岳の奥には浅間山が見える」とあるのですが、、、
だいたい、こんな天気の日に山登りに来る方がどうかしているのです(アホ)。そうは言っても毎日山に行けるわけではありませんし、予定していた山行の日ともなれば多少の天気の悪さには目をつぶっても出かけたくなるというのが人情ではないでしょうか。まあ台風でも来るのがわかっていればあきらめもつくのですが、この日は「午後から崩れそうだ」くらいの予報だったので、とりあえず来てしまいました。でもやっぱり山はいい天気の日に来たほうがいいですね、、、幸い頂上は風もなく、雨も当たらず穏やかではありましたが。
ここで一服していると、登りの途中で追い越したおじさんが登ってこられました。埼玉の方で、いろいろ山の情報を教えてもらいました。両神山の秘密ルートなど、ここには書けないのですが、山の上ではどんな人とでも気軽に話ができるし、話が弾むんですよね。とりあえず山好きな者同士なので。この日は登山者は結局この方一人にしか会いませんでした(山登り最低記録;)。
10分ほど休憩し、鞍部まで戻り、今度は二ノ岳を目指します。
ここからは岩山である二ノ岳を登るので、ハシゴやクサリ場がありましたが、しっかりとした造りなのでゆっくり落ち着いて登れば問題ないでしょう。
そして一ノ岳からわずか20分ほどで二ノ岳山頂到着。
ガイドによれば、「南方の岩棚から一ノ岳を上回る展望が待っている。荒船山や物語山などがさらに明瞭だ。北には鼻曲山、浅間隠山、妙義山、榛名山などの展望が新鮮だ、、、」とあるのですが、、、
う~ん;間近にあるはずの、さっきまでいた一ノ岳さえ見えません; ダメもとで来てみたけれど、やっぱりこれじゃ来た意味が半分以下しか感じられませんね、、、ホント何しに来たんでしょうか?己の無鉄砲さに呆れます、、、
山頂を南側にやや行くとちょっと開けた岩場があり、ここでお弁当や休憩にするのがよいと思います。
さて、一般的にはここから来た道を戻ることになります。この先の木々岩峠方面ルートは、単独行(熟達者を除く)、初心者のみのパーティー、子連れのグループなどは、行ってはなりません。いろんな意味で難しい道です。
それでも、
この先の道に興味があるという、
そこのアナタ、
そう、
ア ・ ナ ・ タ !
アナタに捧げる木々岩峠コースの体験記~~~
行ってみよ!
さて、この鹿岳山頂に着いてから親父と2人で検討しました。一般的には来た道を戻るのですが、バリエーションルートとして、北西の木々岩峠方向に行くルートが登山ガイドに書いてあるのです。ただし、「不明瞭なためルートファインディングの力量が必要で経験者向き」となっています。 しかし、さすが同じ血を持つもの同士、、、
「やっぱここまで来たら行くべ」
ということで行くことにしたのですが、、、
すると、名刺大のプレートが貼り付けられた小さな木があり、その後ろ側から西方向に急降下する細い道があります。これが木々岩峠への入口となります。
まさしく「急降下」していきます。
鹿岳はやはりそれなりのポコンと突き出た岩山ですから、二ノ岳からの下りは今までの一般的な登山道では経験したことがない角度の下り坂でした。まあ、ちょっと急角度の坂が長く続く程度で、特別な装備が必要というわけではありませんが。この日は道も湿っていて滑りやすいところもあり、慎重に歩きました。 やはり、ちっちゃい子供が通るにはちょっと厄介な道だと思います。
二ノ岳から下り始めると、しばらくは道なりに下って行けばよいのですが、進んでいくと、「おや?これはどっちに行けばいいのだ?」という場所が少なからずあるのですね。これも、このコースの難しい点なのです。 ただ、コース沿いには右のような赤テープや赤ひもが随所にくくりつけられているので、これらを頼りにすればいいと思います。
二ノ岳を出発してから30分ほどでこの道標のポイントに着きました。二ノ岳からここまではまったく道標はありませんでしたが、まあ、赤テープなどを頼りに来れば大丈夫だと思います。 この道標通り、ここから左に曲がり、高原方面へと向かいます。
さて、ここからがまた難しいのです。
小尾根を降りてくると、2、3mの岩場を斜降するポイントに出ます。ここはプチ難所ですね。写真は下からの眺め。 ここもクサリかロープがあれば助かるのですが、ちょっと慎重さが必要です。親父は足がツッパッている上にメガネが曇り、濡れた急角度の岩場だったため、ここの通過には時間を要しました。
このプチ難所を降りると、目の前にわりとキレイに伐採された杉の樹林帯が広がっているのですが、、、 ここはですね、 (注)右の尾根沿いに進むのが正しいです。
岩場を下りたら、「右」です。なぜかここでふと登山道の踏み跡が見失われるのです。ここはわかりやすい案内板が必要ですよ!南牧村役場の方!
ここで、私たちはわからずに「左方向」に下りてしまいました。 以下は道迷いの顛末です。 先ほどのプチ難所をワタシが先に下りて、(ここから先はどっちかな?)と一瞬思いながら親父が下りてくるのを待っていたのですが、親父が下りてくると、迷うことなく親父が左方向にスタスタと歩いていくので、ああ、そっちなのかと思いついていきました。確かに踏み跡のようなものもあり、こっちでいいんだろうと思いました。 すると、沢との出合いのようなところに出ました。どうやら位置関係からして先ほどの左の沢を下りてきた道のようでした。なんだ、あの沢を下りてきてもよかったんじゃないか、と思いましたが、やはり間違いの元になるのでダメです。 ところが、すぐに踏み跡らしきものはなくなり、ふんわりとした落ち葉の上を歩くようになりました。落ち葉に隠れて石や岩があり、歩きにくかったです。わりとキレイな杉の樹林帯のなのでまあどこを歩いてもいいんだろうと思い、気にせず歩いていきました。 すると、親父が「おかしい、おかしい」と言います。さっきまで明瞭な踏み跡のある登山道を歩いてきたのに、ここにはまったく人の歩いた形跡がないというのです。確かにそうだなとは思いましたが、とりあえず行けるところまで行ってみることにしました。 ほんの2、3分だったと思いますが、下ってくると、藪に道をふさがれました。
「あれえ~?ここはどっちかな?」
まったく道らしきものが見当たらなくなってしまいました。ふと気がつくと、周りは踏み跡らしきものはなにもなく、寂然とした杉林が広がっているばかりです。
「ホホ、ホホ、ホホ、ホホ・・・・・・」うすく霧の立ち込める林に、いつまでも途切れず一定のリズムで機械的に刻まれる鳥の鳴き声が林間にこだまし、不気味に感じられてきました。まさしく迷宮に迷い込んでしまった錯覚にとらわれました。このとき悪いことに雨がぽつりぽつりと降ってきました。
(迷った;・・・)
山歩きを始めてから、初の道迷いの経験でした。この不安感、焦燥感、実際に体験しないとわからないものがあります。もしこれが、「単独」で、「夜が迫っている」ような状況だったら、その心細さたるや尋常ならざるものであろうことは、このとき初めて身をもって想像できました。こういうとき、一人だとできることには限界がある。だから山はパーティーで行けと言われるんだなと思いました。 「道に迷ったら、わかるところまで戻る」というのが登山時の道迷いのときの鉄則なのは本などで読んで頭ではわかっているのですが、疲れた体で今下りてきた道を登り返すのは非常に億劫に感じられ、このままちょっと藪漕ぎしていけばどこかに出るさ、という根拠のない楽観的観測が頭をもたげてきました。 気軽な気持ちで、「(コンパスを見ながら)方向は西に向かって歩いているから、大丈夫じゃないの」と親父にいうと、
「いや、さっきのところまで戻った方がいいな」
と、繰り返し言います。ああ、やっぱりそうだ、そうだよなと思いました。やはり親父も登山の経験者。定年後は山菜採りで山に入り浸っているし、山慣れた経験者の言うことには重みがあります。
幸い、迷ったといってもほんの数分歩けば元のわかるところまで戻れたのですが、疲れていると冷静な判断力も鈍ってしまうのかもしれないなあと感じました。 ワタシが先ほどのプチ難所のところまで戻ると、立て札を見つけました。親父は別のところに道を探しに行っています。
すると、親父が「赤ヒモ」を見つけた様子。
「お~い、赤ヒモがあったいや~(新潟弁)」
というわけで、先ほどのプチ難所の岩場から右方向の尾根へと進んでいきました。
やっと見つけた正規のルートを示す「赤ヒモ」。残してくれた赤ヒモの「サクライ」さん、ありがとうございました。
小尾根を下ってきて、10:53木々岩峠分岐着。ここを右の木々岩峠方向(草が繁っています)にわずかに行くと高さ100.mほどの「一本岩」が見えるらしいですが、この日はガスっていたのであきらめて、左の高原方面に向かいました。 ここまでくればあとは整備された道なので、迷う心配はありません。
朝方登り始めた登山口付近まで来れば駐車場はすぐそこ。
帰り道から一目でも鹿岳の姿が拝めないかしらと思いましたが、、、
今回は鹿岳の岩峰と西上州の岩山群を拝むべく行ったのですが、まあ天気も悪かったので山頂からの展望がないのは仕方ないとはいえ、麓からさえ、さらには山頂から隣りの岩峰さえ見えなかったのには激しく脱力しました(滝涙)。まさしく「かなたけ」の「か」の字も見えませんでした・・・ しかしながら、上記の軽い道迷いにより、山の怖さを身をもって感じることができたのは大変よい経験になりました。本で読むのと実際に経験するのとでは天と地ほどの違いがあります。今回はまさに「体で覚える」ことができ、山をナメてはならないと思いました。今までは持っていませんでしたが、「ツェルト」を今度買おうと思います。 それでもやっぱり山は楽しかった。あの「探検気分」がたまらないんだよな~(懲りてません)。
まとめの七言絶句: 敢 向 悪 天 中 鹿 岳 歩 山 中 曲 道 迷 道 不 見 西 上 州 山 々 我
想 我 是 度 阿 呆
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