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冬の低山・里山での登山・トレッキングの服装・装備と持ち物、注意事項

服装・装備と持ち物&注意事項topics


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 冬だというのに(山歩きにいきたい・・・)という衝動に駆られてしまって体がムズムズしてしまう体質の方。だけど、こんな時期に山なんか出かけてしまって大丈夫なんだろうか?ということが心配な方。そして、ハードな雪山登山ではなくて、真冬でも雪の少ない里山や低山なら歩いてみたいという方。そんな方々に、冬のハイキングに出かける一歩を踏み出す手助けになればと思いこんなページを作ってみました。

 12月、1月、2月頃の厳寒期の冬山の空気は、それはもう澄んですがすがしいことこの上ありません。清冽で凛とした空間を歩き、時には身を切るような寒風にさらされながらも冬の冷たく乾いた空気を体の中に取り込むと、五感が研ぎ澄まされ、全身が浄化されていくように感じられます。

 冬山でもそれなりの服を着込んでいけば、20分も歩くとポカポカと暖かくなってきます。晴れた日に山の上に登れば空気も乾いて遠くまで見渡せるのもこの時期のよいところ。服装や装備をしっかりと準備して、天候の落ち着いた日に出かけたら、快い休日となること請け合いです。


 それでは、冬の山歩きに必要な服装や装備などの解説リストです。




冬山の服装・装備と持ち物・アイテム

冬用帽子:ニット帽・ビーニー
冬山に行くときの帽子のポイントは、耳を隠すことができるものがいいということです。冬の外気は冷たいですからね。 素材もいろいろですが、普通は暖かい素材で作られています。ニット帽が定番です。ビーニーという言葉は聞き慣れない方もおられるかもしれませんが、丸型のふちなしの帽子のことを言います。耳あて付きのニット帽も冬場の定番ですね。山ガールにはかわいいと思います。
登山用帽子のメーカーリスト
楽天: ニット帽  耳あて付ニット帽  ビーニー

ネックウォーマー
寒風吹きすさぶ冬山では、首周りを覆い隠すものがあると断然保温性が違います 私はネックウォーマーを使っていますが、マフラーストールも使い方次第でおしゃれになるアイテムだと思います。

下着シャツ(ベースレイヤー)
まずは下着シャツ(ベースレイヤーとも)を着ます。長袖にするか半袖にするかは状況に応じてお好みでよいかと。綿素材のものは乾きにくいのでやめましょう。冬とはいえ山歩きをしていると汗をかくこともありますが、汗をかいて休憩していると冷えてしまうことがあります。今どきの通気性のよい、速乾・消臭素材のものを選びましょう。メリノウール素材のシャツは保温性・通気性・速乾性・防臭性が高く、静電気が起きにくいなど優れモノです。また、最近は汗冷えしにくいということでメッシュシャツも利用する人が増えています。
楽天:ベースレイヤーメリノウールメッシュシャツ

登山用シャツ
下着シャツの上に着ます。いろんなタイプがあるのでお好みのものを。私は首元をジッパーで開けられる長袖・半袖シャツを持っていて、状況に応じて使い分けています。暑いときはここを開けたりします。 下着シャツを長袖にして、その上に半袖シャツを着るのもスタイルとしては当然アリです。 長袖ジップシャツ 半袖ジップシャツ





フリース
防寒着の定番。暑ければ脱ぐ、寒ければ着るで調節ができる、アウトドアの必需品です。シャツやジャケットなど様々なタイプのものがあります。

ダウンベスト
長袖シャツやフリースなどの上にダウンベストを合わせるスタイルも冬場はおしゃれかと思います。特に女性の方などはよく見かけますね。

ダウンジャケット
冬山トレッキングウェアの定番アイテムです。シャツ、フリースなどと合わせて重ね着をすれば、冬の里山くらいなら十分対応できます。私は薄手のダウンジャケットの上にウィンドブレーカーを着たりもします。晩秋や早春のそれほど寒さを感じない時期でも、用心のために携行されることをオススメします。

ウィンドブレーカー:
アウタージャケット

冬専用のアウトドアジャケットや、アウタージャケットなども様々ありますが、そういったウィンドブレーカー的なアイテムの下に薄手のダウンジャケットやフリースなどを合わせれば、冬でも低山・里山程度なら十分かと思います。 フードのあるものの方が雨よけ、風よけになるのでおすすめです。雨具の上着を利用するのももちろんOKです。

雨具・レインウェア
天気予報の降水確率が0%でも、必ずもって行きましょう。山の天気は変わりやすいです。いつ雨が降ってこないとも限りません。天気予報だってはずれることもあります。 冬場の里山歩きなら、アウターを雨具にする手もあります。そして下に薄手のダウンジャケットやフリースなどを重ね着すれば、十分暖かいでしょう。 雨具をアウターで使えば、あとは雨具のパンツを持っていけばいいですね。





トレッキングパンツ
伸縮性のよいトレッキング用のものを用意しましょう。冬用の厚手のトレッキングパンツもありますが、普通のものでも保温用のタイツと合わせれば、冬でもあったかです。 一年通して使えるので、少しくらい値は張っても機能性のいい、好みのデザインのものを買うのがおすすめです。
 女性は真冬でもショートパンツ山スカートにタイツレッグウォーマーを合わせる人も見かけます。おしゃれ感が漂いますね。でも私自身は冬場にショートパンツというのはやりませんが(寒)。

保温タイツ・サポートタイツ
トレッキングパンツの下にタイツを履けば、冬でもあったかで安心です。普通の防寒・保温用タイツで十分です。私は以前はホームセンターで買った800円くらいのものを着用していましたが、現在ではヒザや足全体が楽なので、サポートタイツを愛用しています。 保温性の高いタイプのサポートタイツもあるので、利用すればスムーズな足運びの補助となり、ヒザの疲労やダメージも軽減してくれるでしょう。    その他のアウトドアタイツ

下着(アンダーウェア、ベースレイヤー)
パンツも当然綿のブリーフなどは避けて、通気性のいい速乾素材のもので行きましょう〜。冬用のあったか素材を用いているものならなおグッドでしょう〜。ま、実際のところ普段身に着けてるもので問題ないと思いますが。スポーツブラ スポーツショーツ
楽天:登山下着





登山靴・トレッキングシューズ
冬に山に行くなら、やはりしっかりとした登山靴で行きましょう。ミドルカットもしくはハイカットのトレッキングシューズを用意したいものです。 ハイカットの登山靴であれば雪も入ってきにくいですし、保温性も高いです。登山道が泥ぐちゃになっていてもガシガシ歩けます。↓のスパッツと合わせれば、足元の防御力はなお高まります。

スパッツ・ゲイター
冬場に雪の降り積もった道を歩くときには、靴に雪が入らないようにスパッツがあると安心です。また、雪の融けた後などに、登山道が泥ぐちゃになってたりすることもあります。そんなときもスパッツがあればパンツの汚れを気にすることなくガシガシ歩いて行くことができます。私は一応持って行きますが、実際のところ里山では使うことはほとんどありません。

靴下・ソックス
登山用のものをそろえましょう。普通の登山用靴下で大丈夫かと思います。疲れにくい機能を施したものなど、いろいろあります。 私は冬場はやはり、持っている中でも厚手の靴下を履いて行きます。

レッグウォーマー
女性の冬場の山歩きには、ショートパンツ山スカートタイツを履いてレッグウォーマーを合わせる人も見かけます。おしゃれ感が漂いますね。山ガールの、よく見かけるスタイルでもあります。華やかな柄は温かみを感じさせてくれます。

ゴム長靴
雪の中を歩くのが想定されていて、なおかつ車で出かけるのであれば山歩きの靴はゴム長靴というのも選択肢の1つです。むしろ雪国の里山歩きではゴム長靴が定番です。ピンスパイク長靴ならより一層のグリップ力が期待できます。  楽天:ゴム長靴 ピンスパイク長靴
 
上写真は我が地元新潟の冬の雪山歩きでも使う人の多い(新潟スペシャル?)、オカモトのピンスパイク長靴




冬用手袋
冬はやはり厚手の手袋でないと、寒くて快適ではないこともままありますのでお忘れなく。特に歩き始めは指先が冷たく感じることも多いです。ちゃんとした冬用手袋をしていれば、10分か20分くらいで気にならなくなります。手が冷たいのはつらいものですが、ポケットに手を突っ込んで歩くのは危ないのでやめましょうね。手袋をしたままスマホをいじるなら、タッチスクリーン対応の手袋が必要です。

テルモス・保温水筒
冬はテルモスに熱々のお湯やお茶、コーヒーなどを入れて持って行きましょう。 左画像の山専ボトルは登山用テルモスの定番で、軽量でありながら強力な保温力を備えています。もちろんこのほかにペットボトルのスポーツドリンクやお茶なども持っていくのもよいでしょう。冬場はそれほど喉は渇きません。1時間当たり200ml程度の飲み物があれば十分かと思います。
登山・トレッキング用水筒のメーカーリストはこちら。
登山・トレッキングに行くとき、どれくらい水を持って行けばよいか?

ガスバーナーとガス缶
ガス器具を持っていけば、いろいろと食べ物の幅が広がり、リッチな気分が味わえます。ガスバーナーとガス缶(カートリッジ)が必要です。山の上でお湯を沸かして食べるカップラーメンは最高ですし、小さな網を持っていって、焼き肉をやったり、もちを焼いたりするのもいいですね。バーナーには自動点火装置がだいたいついてると思いますが、念のためライターなども持っていったほうがいいと思います。小型のガス缶の転倒防止にはガスカートリッジホルダーがあると無難です。風よけにウィンドスクリーンがあるといい場合もあります。

クッカー・コッヘル
ガスバーナーを持って行くなら忘れてならないのはクッカー(コッヘル)類。私はもっぱらお湯を沸かすのに使ってます。私が長年使っているのはスノーピークのソロセット極チタ。チタンは熱伝導率が悪いらしいのですが、なんとか使っています。初めて使ったのは越後駒ケ岳食事用の箸やフォーク、スプーンなども忘れないように。箸を忘れた間抜けな山行記は高川山。さて、どうやってカップラーメンを食べたでしょうか?





携帯座布団
冬山では腰掛けようと思ったらベンチや岩などに雪が積もっていたり、凍っていたりして冷た〜くなってるなんとことはよくあるものです。雪の上しか座るところがないなんてことも、冬山ではあります。そんなときに、座布団の一枚もあると助かります。
楽天:携帯座布団

ストック・トレッキングポール
雪道や凍った道になってしまったとき、ストック(トレッキングポール)があるとバランスが取りやすくて重宝します。私は年中ダブルストックで歩いていますが、特に雪道・凍結した道ではダブルストックの威力を感じました。
 
T字の1本ステッキは、ないよりはましかもしれませんが、冬山に持っていくならI字のストック2本を持って行くのがいいと思います。なお、雪道、凍った道では、ストックの先のキャップは外しましょう。雪のない、通常の登山道ではキャップをはめるようにしましょう。

軽アイゼン
東京の高尾山でも、雪が降ったあとなどは登山道が凍りついてしまうこともあります。凍った登山道を長く歩かなければならない場合などにはアイゼンが活躍してくれるでしょう。
ちなみに私はまだ1度しか使ったことがありません(雲取山の日記)。これまでのところ、アイゼンがなくて怖い思いをしたというほどのことはありません。ただ、あればよかったな、ということは何度かあります。冬山に行くときは、お守り代わりに軽アイゼンを準備するのも手だと思います。里山程度なら基本は4本爪か6本爪でいいかと思いますが、より安心感を求めるなら10本、12本爪がいいでしょう。

スノーシュー
真っ白な美しい新雪の上でも悠々楽々と歩いて行けるのがスノーシュー。行動範囲が広がり、今まで行くことのできなかった世界に足を踏み入れることができます。ストックと合わせて使うとなお歩きやすいです。管理人が初めてスノーシューを履いてみた日記はこちらです。   楽天:スノーシュー

携帯カイロ
冬はやはりカイロがあるとほっとしますね。特に歩き始めなどは寒いことも多いので、そんなときは助かるでしょう。ただ、私自身は持っていったことはありません。歩けば暖かくなるので、歩き始めの最初のうちだけ寒さを我慢しています。休憩時にはあるとよいかもしれませんね。  楽天:ホッカイロ





服装の基本:重ね着&アイテム使い

 冬の山歩きは重ね着(レイヤードスタイル)が基本です。重ね着できるアイテムを持ち歩くことが、調節もしやすいのでポイントです。上に紹介したアイテムで、服装の組み合わせはいろいろ考えられると思います。ダウンジャケットをアウターにする場合、防水加工のダウンジャケットならいいですが、雨が降っても大丈夫なように防水のウィンドブレーカーや雨具を持っていきましょう。

アンダーシャツ

フリース

ダウンJKT

 そのほか帽子、マフラー・ネックウォーマー、手袋など、冬は身に着けるアイテムも多く、いろんなファッションのコーディネートを楽しむことができる季節でもあります。暑ければアイテムを脱ぐなり、上着のジッパー・ボタンを開ける。休憩時に寒くなったらまた着るなど、臨機応変に対応しましょう。汗をかきすぎると休憩時などに冷えることがあるので、汗はかきすぎないように注意しましょう。

ニット帽

ネックウォーマー

冬用手袋





冬の低山・里山歩きの注意事項など

・まずはお天気。天気予報は必ずチェックしていくようにしましょう。荒れ模様になりそうなときは出かけないことです。冬に天候が荒れると、その悪条件は他の季節に比べて特に厳しいものとなります。とりわけ注意したいのが、太平洋側でも2月から3月頃に「なごり雪」が降ることがあること。また、3月頃寒さが緩んだと思って油断していると、春の嵐に巻き込まれないとも限りません。とにかく天気予報は十分チェックして行ってください。からっと晴れた日に出かけたいものです。

・次に、予定している山の現況を調べてみましょう。山行予定の山のある市町村のホームページで観光情報を見ると、直近の山の様子がアップされている場合もあります。ホームページで確認できずに気になるのであれば、電話で確認しましょう。ただし、お役所は土日はお休みですのでご注意を。

・山を登って標高が上がってくると、ある地点から上は雪の世界だったなんてことはままあります。自信があれば進めばいいですが、不安なら勇気を持って引き返しましょう。雪と氷の世界は、思いがけないアクシデントを呼び起こさないとも限りません。氷で滑って谷へ滑落、地面があると思って雪に乗ったら雪庇(せっぴ)で落下、雪崩の危険性など、何が起こっても不思議でないのが自然というものです。状況判断のできるリーダーがいればいいですが、わからなければ引き返すことです。山は逃げませんので、また次回来ましょう。

・晩秋や春先など、微妙なシーズンに山に出かける場合は、防寒用にダウンジャケットを携行することを強くオススメします。下界は暖かくても、山の上は案外寒さが厳しいことがあります。暑ければいらないのですが、寒いときに防寒着がないと非常に辛い目に遭います(経験者が語る東京の浅間尾根日記)。

・寒い時期の山歩きで注意したいのが、汗をかいて衣服が湿ってしまい、そのまま冷えてしまうことです。冬山とはいえ、歩いていれば暑くなってしまい、汗だくになることもあります。汗をかいたままで休憩などしていると体温を奪われてしまいますので、速乾性、通気性の良いシャツを着るようにしましょう。基本は重ね着です。暑ければ上着のジッパーを開けたり、1枚脱いだり、寒ければまた着るなど工夫して、汗をかき過ぎないようにしましょう。

・当日の天気予報、現地の状況を確認し、大丈夫そうだったら、あとは上記の冬用トレッキングアイテムなどを抜かりなく装備して行くだけです。まずは短めのコースを選び、自信がついたら徐々に長めのコースにチャレンジするといいでしょう。慣れないうちは単独行は避けて、グループで行くようにしたいですね。

・あと、これは季節に関係なくなのですが、山歩きの後は近くの日帰り温泉に入って帰るのも大変気持ちがいいです。冬場の刺すような空気の露天風呂に浸かるのもオツなものです。ぜひ日帰り温泉も調べて行ってみてください。



それでは準備をよくして、
気をつけていってらっしゃ〜い!!

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